沖縄・琉球風水師
「和来龍(わらいりゅう)」
第229回シマ研究会「蔡温の風水術」の追加説明
2025 / 01 / 31

 2025年1月27日(月)に、沖縄国際大学南島文化研究所第229回シマ研究会で「蔡温の風水術」と題して発表しました。
 当日は雨や寒風が吹きすさぶ悪天候でしたが、多くの皆様にご来場いただきありがとうございました。
 また、司会・コメンテーターを務めてくださった崎浜 靖先生や会場の準備をしていただいた宮城茂雄様はじめスタッフの皆様に感謝申し上げます。
 発表後に会場からいろいろご質問をいただきましたが、時間の都合で十分に説明できなかった内容がありましたので、ここに追加で説明させていただきます。

【質問1】
(風水や蔡温がいうところの)「龍脈」とはいったいどのようなものですか?
【回答1】
 「地球を生命体と考える」ことが風水思想の前提になっています。
 風水では、山の高さが高いほどエネルギーが強いと考え、最も高い山をその源を意味する「祖山」と名付けました。頂上では地球内部から上がってきた陰の気が最も強くなっています(位置エネルギーが高い)。そこに、陽の気である雨(地上の水が太陽によって暖められて水蒸気となって上ったものだから陽の気)が降ると陰の気と陽の気が一つになって(陰陽が和合して)、新たな命を生む「生気」となって斜面を下っていきます。生気は雨水と混ざりながら川となって地表を流れたり、地面にしみこんで地下水と混ざって流下したりします。

龍脈

 祖山からだんだん低い山へと連なっているのが「龍脈」です。一般には山脈と呼ばれていますが、風水では山も生命力が宿る生き物として考えるため、山脈の形が龍の身体のように見えることから龍脈と呼びました。生気は流下する過程で五行の性質に分かれていき、木形、火形、土形、金形、水形のいずれかの山形を形成しながらさらに下っていきます。

 龍脈の行きつくところは平地か大きな河川や海になります。龍脈の最終的なところにある山を「父母山」とか「玄武」と言い、その山のふもと付近には「龍穴(りゅうけつ)」または「穴(けつ)」と呼ばれる生気の融結した場所があります。「穴」は龍脈を流れ下った生気が湧き出す場所ですが、熟達した風水師でなければ見分けられないといわれています。

穴

 首里城は弁ヶ嶽を発祖として流れ下った龍脈が「穴」を結ぶ場所に建てられています。龍脈は高台であっても「穴」を結びます。首里城には「龍樋」から流れ出る「瑞泉」という湧き水と「龍潭」、「円鑑池」などの水辺とともに「京の内」や「首里森御嶽」などの樹林、高い城壁があり、それらによって首里城の生気が散らないように護っています。もし、水辺や風よけになるものが無かった場合には首里城の生気が散らされてしまうでしょう。

【質問2】
「龍脈」は建物にも入りますか?
【回答2】
 結論から言えば「龍脈」の生気は建物にも入ります。
 首里城では、正殿を囲うようにして北殿、南殿、奉神門が配置されていますが、風水的には「四神相応」に基づいて「生気」を蓄えるようになっています。また、正殿の高さが最も高く、「青龍」「白虎」に相当する左右の建物はそれより低くなっており、「朱雀」に相当する奉神門に向かって建物の高さが次第に低くなっています。風水では「龍脈」が正殿から「下之御庭」に向かって流れ下る形状に建物が造られていると判断します。

 「龍脈」を流れてきた生気は陰の気と陽の気に分かれて建物に流れます。
 陰の気は地面に接している基礎から柱や梁などの構造材を通って上昇し、屋根の上まで登って建物を包みます。その過程で床や壁、天井に流れて空間を陰の気で満たします。陰の気には、「安定、落ち着き、静か、平安」の性質があります。固い地盤の上に太い柱や梁、厚い床や壁、屋根で造られた建物は陰の気が強く地震や台風が来ても安心感があります。一方、液状化しやすい軟弱地盤の上に細い柱や梁、薄い床や壁、屋根で造られた建物は陰の気が弱く不安な気持ちになります。

龍脈と基礎

 生気が湧泉や林樹から発すると陽の気となります。陽の気は建物の出入り口や窓から風に乗って建物に入ります。陽の気には、「活動、快活、にぎやか」の性質があるため、陽の気が多ければ積極的になり仕事がはかどるようになります。

住環境と陰陽

 一般に、陽の気が強いと活動的になりますが落ち着かない傾向が出てきます。陰の気が強いと気持ちが落ち着きますが内向的になりやすい傾向があります。風水では住環境の陰の気と陽の気のバランスを重視します。

建物要素の陰陽

【質問3】
風水師ではない人が御嶽(うたき)やパワースポットで「気」を感じるにはどうしたらよいですか?
【回答3】
 東洋では昔から元気や病気、やる気、雰囲気など「気」のつく言葉があるように、「気」は身近なものとして感じていたようです。「気」は科学的に証明されておらず、「気」を数値化して示せる機械も無いため、「感じる」しかないのですが、「気」を感じる度合いには個人差があってすぐにわかる人もいれば全くわからない人もいます。

 私の過去の経験では、風水がわからない人でも風水で設計した住宅に入ると「居心地がよい」と感じる方が多かったです。また、パワースポット巡りの際に深呼吸や軽い体操をすると気を身体に取り込みやすいようです。生きている喜びや爽快感を感じたとか四十肩や腰痛が治ったという参加者もありました。

 ある場所に行った時、「心地よい、肩が軽くなってスーッとする、清々しい、温かみや喜びを感じる、お母さんに抱かれているような安心感がある」などの感覚があれば、そこの「生気」を感じていると考えられます。
 気功法やヨガ、瞑想法などを学ばれると一年ぐらいで「気」を感じやすくなるでしょう。





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